仕事をしていて、「あ、え?これ何言ってるんだ?」と感じることが増えました。
部下の20代が「エッホエッホ、〜は〜だって伝えなきゃ」と言ったり、後輩が「今日ビジュいいじゃん」と言ったり。最初は「若い子ってこういう言葉使うんだ」くらいの認識だったんですが、ここ数ヶ月で気づいたのは、これらの言葉が本当に X(旧Twitter)上で拡がっている ってことなんです。
X上で毎日目にするし、採用試験の面接では「推し活について教えてください」という質問が出ていたし、何より部下たちの会話について行けないのが、地味にストレスでした。
だから思い切って、Xでの実際のトレンドを見て、若い子たちにも聞いて、整理することにしました。
Xで本当に流行ってる言葉:検索ランキングとは違う現実
最初にビックリしたのが、検索ランキングと、X上で実際に使われてる言葉が違う ってことなんです。
検索では「風呂キャン」が上位に出ますが、X上でZ世代の子たちが何を言ってるかを見ると、違う言葉がバンバン出てくるんですよ。
だから改めて、Xで実際に流行ってるデータをもとに、ランキングを作り直しました。
| 順位 | 言葉 | 特徴 |
| 1位 | エッホエッホ | フクロウの赤ちゃんから生まれたリズム感のある造語 |
| 2位 | 今日ビジュいいじゃん | 「今日のビジュアルが良い」という意味 |
| 3位 | 〇〇界隈 | 共通の価値観を持つ人たちの集団 |
| 4位 | メロい | 心が引き寄せられる、魅力的という意味 |
| 5位 | ほんmoney | 「本当に?」という意味 |
1位「エッホエッホ」:Xで圧倒的に流行ってる理由
正直、最初これを見たとき「何これ?」ってなりました。
でも調べてみると、2025年春にメンフクロウ(フクロウの一種)の赤ちゃんが地面を走っている写真が話題になって、そこから爆発的に広がったんだってことがわかりました。
元ネタ:
オランダの写真家ハニー・へーレさんが投稿した「走るフクロウの赤ちゃん」の写真
どう流行ったか:
- TikTokクリエイターが「エッホエッホ、〜は〜だって伝えなきゃ」という構文で動画化
- 動画クリエイターのうじたまいが「エッホエッホ豆知識」という楽曲を作成
- Xで爆発的に流行 → SNS流行語大賞にノミネート
実例:
- 「エッホエッホ、アンパンマンはつぶあんって伝えなきゃ」
- 「エッホエッホ、日本の首都は東京だって伝えなきゃ」
- 「エッホエッホ、推しが推しだって伝えなきゃ」
つまり、「知識や情報を伝えるときに、可愛らしい造語を付ける」 という使い方ですね。
面白いのは、この言葉に特に「意味」がないってこと。フクロウの走る姿の可愛さと、リズム感のある音だけで、Z世代の心をつかんだんです。
調べてみると、こういった「意味より、リズムと感覚」を大事にする傾向が、Z世代の言葉の特徴だと気づきました。親の世代は「言葉は正確に、明確に」という価値観。でも Z世代は「感覚が伝わればいい」という価値観なんです。
SNS時代だからこそ、テキストだけで「空気」を伝える必要があるから、短い言葉で「ノリ」が伝わるような造語が生まれるんですね。
2位「今日ビジュいいじゃん」:自分の「見た目」を実況する文化
「ビジュいいじゃん」という言葉をよく見かけるようになったのが、2025年上半期だそうです。
意味:
「今日のビジュアルが良い」という意味で、メイクやヘアセットがうまくいった日に使います。
実例:
- 「朝からメイク決まった。今日ビジュいいじゃん!」
- 「ヘアセット上手くいった。今日ビジュいいじゃん」
- 「新しいコスメ買ったから今日ビジュいいじゃん」
なぜこれが流行ってるのか、考えてみると、Z世代って 自分の「見た目」を日々チェックして、SNSに反映させている んだと思うんです。
朝起きて、メイクをして、「あ、今日調子いい」って思ったら、それをX で発信する。そういう日常のワンシーン実況みたいな使い方なんですね。
実は職場の子に「なぜ『今日ビジュいいじゃん』って言うんですか?」と聞いたら、「え、だって今日のメイク調子いいじゃないですか。それを伝えたくて」という返答でした。つまり、自分の「今のリアル」をそのまま伝えたい という欲求があるんですよ。
親の世代からしたら「メイク?そんなこと言う?」って思うかもですが、Z世代にとって「見た目」は「気分」を表現する大事な要素なんです。
3位「〇〇界隈」:Z世代がコミュニティを定義する方法
「界隈」という言葉自体は新しくないんですが、Z世代が使う「界隈」は、自分のアイデンティティそのもの になってるんですよ。
実例:
- 「推し活界隈」→ アイドル応援をしてる人たち
- 「メイク界隈」→ メイクに興味がある人たち
- 「アニメ界隈」→ アニメが好きな人たち
- 「もんた界隈」→ 特定のインフルエンサーを応援する人たち
Xを見てると「私〇〇界隈です」というプロフィール設定をしてる子が本当に多い。つまり、Z世代にとって「界隈に所属する」ことが、「自分が何者であるか」を表現する方法 になってるんです。
親の世代は「私は会社員です」「私は看護師です」というように、職業でアイデンティティを定義してきた。でもZ世代は「推し活界隈に所属してる」「アニメ界隈に所属してる」というように、趣味や価値観でアイデンティティを定義している んですね。
これってすごく健全だと思います。だって、職業は変わるかもしれないけど、「好きなもの」は本当の本人の価値観を表現しているから。
職場で若い子が「私、推し活界隈です」と言ったときは、「へー、どんなアイドル?」と聞く。そうすると、相手の「本当に大事にしてること」が見えてくるんですよ。
4位「メロい」:感情を短い言葉で表現する戦略
「メロい」という言葉も、Xで本当によく見かけます。
意味:
心が引き寄せられる、魅力的、かわいい、かっこいい
実例:
- 「この推しのメイク、メロすぎて幸せ」
- 「彼氏のそういうとこメロい」
- 「このキャラの笑顔メロすぎて推した」
- 「推しの新曲、メロすぎる」
なぜ「好き」じゃなく「メロい」なのか。考えてみると、「好き」より強い感情を伝えたい んじゃないかと思うんです。
「好き」は弱い。でも「メロい」って言うと、「心がメロメロになるくらい好き」という強さが伝わる。短い言葉で、感情の「強度」を表現してるんですね。
さらに興味深いのは、「メロい」が恋愛だけじゃなく、推しキャラ、推し芸能人、さらには「その瞬間」に対しても使われるということ。つまり、Z世代にとって「心が揺さぶられる対象」は、人間に限らないんですよ。
それは、SNS時代だからこそなのかもしれません。24時間、無限に「ときめく対象」に出会える。その結果、感情の表現方法も多様化してるんです。
5位「ほんmoney」:ユーモアで本音を伝える
「ほんmoney」も面白い言葉です。
意味:
「本当に?」という意味なんですが、直訳すると「本+お金」という意味不明な造語(笑)
実例:
- 「それマジ?」→「ほんmoney」
- 「給料少ないほんmoney」(本当に給料が少ないという意味)
- 「あいつ、また遅刻したほんmoney」
Z世代がこういう「意味不明な造語」を作る理由は、おそらく:
- ユーモア性:つまらない日常を楽しくする
- 親しみやすさ:造語を理解できる=仲間という確認ができる
- 世代を分ける:親世代が理解できない言葉=自分たちの専有物
つまり、言葉自体が「遊び」であり「バリア」であり「絆」になってるんですね。
実は、こういった「無意味に見える造語」を作ることで、Z世代は何をしてるのか考えてみました。おそらく、「親世代の価値観から自分たちを守る」 という無意識的な戦略なんじゃないかと。
親は「そんなことない」と言う。でも「ほんmoney」と言うと、「いや、本当にそうなんだ」という反発が込められてるんですよ。
Z世代の言葉から見える本当の価値観
ここまで見てきたZ世代用語を分析すると、いくつかの共通点が浮かび上がります。
「短さ」と「リズム」を重視する
親の世代は「正確に、丁寧に」という価値観。でもZ世代は「短く、リズム良く」という価値観なんです。
これはSNS時代だからこそ。短いテキストで、「ノリ」や「空気」を伝える必要があるから、自然と進化してるんですね。
「共感」がコミュニティの中心
「メロい」「今日ビジュいいじゃん」「ほんmoney」。これらの言葉は、相手との「共感を確認するため」に存在します。
つまり、言葉を通じて「あ、あなたと同じ気持ちですね」という確認をしてるんです。
「個性」を大事にする
「推し活界隈」「アニメ界隈」。Z世代は「どの界隈に属してるか」で自分を定義します。
つまり、「自分らしさ」を「界隈」という形で表現している んですね。
大人が「Z世代の言葉」とどう付き合うか
結論としては、理解しようとする姿勢が大事 です。
職場で若い子が「このプロジェクト、メロいですね」と言ったら、「あ、これ素敵だってことね」と理解する。
「今日ビジュいいじゃん」と言ったら、「あ、今日調子いいんだ」と受け取る。
「〇〇界隈です」と言ったら、「へー、どんな感じですか?」と聞く。
そういう小さな理解の積み重ねが、世代間のコミュニケーションを作るんです。
実際、Xで若い子たちの言葉を見てると、彼らは「大人が自分たちを理解しようとしてくれる」ことに、ものすごく喜んでるんですよ。
「親世代は『何それ?古い』って否定するけど、あなたは『へー、そういう意味なんだ』って聞いてくれるから、一緒にいて楽」みたいなことを言われました。
最後に:Z世代の言葉は「時代の声」
この調査を通じて感じたのは、Z世代の言葉は単なる流行語じゃなくて、その時代を生きる人たちの価値観そのもの だということです。
- 「エッホエッホ」→ 知識を楽しく伝えたい
- 「今日ビジュいいじゃん」→ 自分の「今」を表現したい
- 「推し活界隈」→ 好きなことでアイデンティティを定義したい
- 「メロい」→ 短い言葉で強い感情を伝えたい
- 「ほんmoney」→ 親世代の価値観から自分たちを守りたい
これらの言葉を理解することは、単に「若者文化を知る」ことじゃなくて、「今の若者がどう生きたいのか」を理解すること なんですよ。
もし「あ、Z世代の言葉がわからない」って思ったら、否定するんじゃなくて、「へー、どういう意味?」って聞く。そこから、世代を超えたコミュニケーションって始まるんじゃないでしょうか。
少なくとも、この調査を通じて、私は若い世代のことをちょっと理解できた気がします。
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